宝木台地の開拓
江戸時代の初め、宝木台地は、水持ちが悪く稲作に適さない土地であったため、宇都宮藩は、この台地を、江戸の町人加藤四郎兵衛ら4人に請け負わせ、開拓させましたが、水利が悪く、次第に荒廃してしまいます。
二宮尊徳の通水事業
文政8(1825)年、宇都宮藩は、荒廃した新田へ通水することを計画しますが失敗。このため、二宮尊徳に工事を依頼し、嘉永5(1852)年、工事が行われ、徳次郎村の田を潤すことができましたが、その南までは及びませんでした。そこで、仁良塚の名主たちが資金を集め、再び工事が始まりますが、尊徳が途中で死去したため、弟子の吉良八郎が後を継ぎ、安政6(1859)年に「宝木用水」は完成し、宝木台地の多くの田を潤すことができました。
二宮堰
江戸時代後期、徳次郎や宝木地区の水不足を解決するため二宮尊徳が田川を堰きとめて新川の流れを作った。現在は親水公園。
宇都宮北部に伝わる獅子舞
宇都宮の北部では、一人立ち三匹獅子舞が、毎年盆などに、悪疫退散、家内安全、風雨順調などを願って行われています。
宗円獅子舞
毎年2回、お盆の8月16日と8月の最終日曜日に日枝神社で奉納される。(市指定)
豊作を願う天祭
太陽や月をはじめとする神仏に、風雨順調、五穀豊穣などを祈願する天祭は、江戸後期に盛んとなります。その中心となる二階建彫刻屋台の天棚は、全国的に見ても宇都宮市とその近辺にしか存在しない独特なものだそうです。
日光街道沿いの付祭
日光街道沿いでは、夏の暑い時期に、疫病退散や五穀豊穣などを願って、石那田八坂神社天王祭付祭や徳次郎智賀都神社祭礼付祭が行われ、地域の一大行事となっています。
地域に残る伝統文化を未来へ
この他にも、羽黒山の梵天祭や瓦谷の神楽など、各地で伝統的な行事が、今もなお地域の人々によって引き継がれており、地域の一体感を生み出す貴重な文化資源となっています。
羽黒山神社梵天祭
毎年11月23日、24日に行われる秋の例大祭。およそ300年続く梵天を奉納する祭り。
瓦谷の神楽
1月の三が日を除く第1日曜日に平野神社で奉納。(市指定)