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歴史・文化財 資料アーカイブ

宇都宮の伝統工芸・伝統食

宮染め

 宮染めは、江戸時代に宇都宮近郊で生産された生地を染めるため、田川や釜川沿いに染色職人が移り住んで染めたのが始まりとされています。当初は、藍染で行われたものですが、大正期以降は注(ちゅう)染(せん)と呼ばれる技法で行われています。これはまず生地を専用の台の上に置き、型紙を生地の上にのせ、上からヘラで糊をつけ、一回ごとに生地を折りたたんで上から同じように糊をつけ、これを一反で10~12回繰り返していく。その後、上からヤカンにいれた染料を注ぐ方法で染めていくもので、染料をたたんだ生地の上から下までしみ込ませるため、染め上がった生地の両方に柄がつくのが特徴です。
最盛期には40数軒の業者が活躍していたといわれていますが、現在では3軒の業者が宮染めを続けています。商品としては幕や幟(のぼり)、半纏(はんてん)、暖簾(のれん)、袱紗(ふくさ)、手拭(てぬぐい)など身近なものが多く、屋号や家紋、家名などの印が染められています。