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歴史・文化財 資料アーカイブ

宇都宮の祭り・年中行事

恵比寿講

 旧暦の10月20日と1月20日(現在は月遅れ11月20日と1月20日)には、各家庭で恵比寿講が行われています。このうち10月は恵比寿様が福を背負って稼ぎから帰ってくる日、1月は福を求めて稼ぎに出かける日といわれ、普段は神棚や台所などに祭られている恵比寿様と大黒様を下におろして五穀豊穣や家内安全などを願いました。この時の供物に欠かせないものが尾頭付きの魚で、そばや餅、けんちん汁などと一緒に供えました。また生きた魚を丼などに入れて供える人もいます。さらに金がますます入ることを願って小銭を入れた一升枡を置き、膳を下げる時には「千両で買います、万両で買います」など縁起のよい言葉を唱えました。
 10月の恵比寿講は作物の収穫期であり、そもそもは豊作への願いと感謝を込めた行事と考えられていますが、恵比寿様と大黒様の後利益にあやかり、福をもたらす行事として現代に受け継がれています。