歴史・文化財 資料アーカイブ
宇都宮の祭り・年中行事
西下ヶ橋彫刻屋台
西下ヶ橋にあるこの屋台は、外輪式漆塗彩色彫刻屋台です。保存状態も非常に良く、平成3年3月に文化財指定を受けています。墨書などの記録は確認されていませんが、江戸時代末期に製作されたと推測されます。
屋台には周囲に、華麗な彫刻が所狭しと飾られていて、向拝柱〔ごはいばしら〕(前柱)の柱隠しには木鼠〔りす〕と葡萄〔ぶどう〕・鶴の巣篭もりが、障子回りは桜を主体にした花木、軒下を飾る外欄間〔らんま〕は菊、高欄〔こうらん〕(周囲に付けられた手すり。欄干〔らんかん〕)の下は力強い板書きの波で色鮮やかに彫られています。
特に、正面の蹴込〔けこみ〕(正面の内障子下部の彫刻)の子獅子がたわむれる透かし彫りの玉などに、彫刻の技術の高さを見ることができ、屋根上(破風〔はふ〕板上)の飾りである鬼板と懸魚〔げぎょ〕(破風板の下にぶらさがった飾り)の龍は華麗なものとなっています。