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歴史・文化財 資料アーカイブ

宇都宮の祭り・年中行事

智賀都神社の夏祭りと屋台2

 徳次郎の西根、田中、門前、上町、中町、下町の6台の屋台はいずれも、宇都宮市の有形民俗文化財に指定されており、通称下野型と呼ばれる、唐破風〔からはふ〕屋根に館形式の彫刻屋台で、内輪式の四つの車輪が付いています。四方八方に、龍〔りゅう〕や獅子、鳳凰〔ほうおう〕 、孔雀〔くじゃく〕 、菊、梅、波など、多彩な彫刻が所狭しと施されています。建造年代はいずれも江戸時代後期で、最も古いものは文化5年(1808)の記録が見られます。
 彫刻師は、日光東照宮五重塔再建時に彫物方棟梁〔とうりょう〕を務めた後藤周二正秀〔ごとうしゅうじまさひで〕をはじめ、磯部儀兵衛敬信〔いそべぎへいけいしん〕、石塚直吉吉明〔いしづかなおきちよしあき〕 など、当時の下野国を代表する名工たちであり、これらの彫刻は日光の社寺と比較しても、勝るとも劣らない素晴らしい作品です。