歴史・文化財 資料アーカイブ
宇都宮にまつわる民話
朝日観音霊験
今から 600 年以上も前のこと。宇都宮のとのさま宇都宮基綱(もとつな)どのは、小山のとのさま小山義政と茂原というところで戦をしました。それは激しい戦いで、基綱公はうち死にしてしまいました。
そのとき、基綱どののおともをしていた上三川のとのさま今泉但馬守(たじまのかみ)は 、小山勢に捕まって首まで土に埋められ、かみの毛を木に結びつけられて逃げられないようにされてしまいました。
但馬守はひごろから朝日観音を深く信仰していたので、この時も夜も眠らずに祈りつづけたそうです。 すると、夜中に但馬守をはげます声が力強く響いてきて、不思議なことに体は土の中からぬけ出し、結びつけられていた髪はほどけたのです。そして無事に逃げのびることができました。