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歴史・文化財 資料アーカイブ

宇都宮の民俗芸能

天下一関白流御神獅子舞

 逆面獅子舞は、宇都宮市の北部、逆面町に中世より伝わる獅子舞です。
 逆面という変わった地名には、古く奈良時代の高僧「弓削道鏡〔ゆげのどうきょう〕 」(721年没)が下野薬師寺別当に任じられた折り、この地まで足を伸ばし畑の中に在った「逆さ井戸」を見て驚き、この地を「逆さ面」と命名したとの言い伝えがあります。
 また、一説には逆面の始祖は豊城入彦命〔とよきいりひこのみこと〕の従者まで遡〔さかのぼ〕 ることができるそうです。
 逆面獅子舞の歴史も古く、室町時代初期の元中年間(1384~1392年)この辺り一体が流行〔はや〕り病(チフス)に襲われたときに、この獅子舞を舞って悪霊の退散を願ったところ、流行り病はたちどころに胡散霧消〔うさんむしょう〕 したと言われております。
 以来、幾〔いく〕百年、逆面の獅子舞は、村寺、高徳〔こうとく〕寺に在って、逆面人の魂として、地域の守り神として、毎年「盂蘭盆会〔うらぼんえ〕」(現在は8月15日)と八朔〔はっさく〕(旧8月1日)に村中を清め流し舞われてきましたが、明治の廃仏毀釈〔はいぶつきしゃく〕令により明治15年ごろからは村社〔そんしゃ〕 の白山神社の境内で「五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全」を願って奉納されています。
 また、この逆面の獅子舞は関東地方特有の風流系の一人立ち三匹獅子舞の代表格の獅子舞で、舞の踊り形や姿は関東で2番目と自負しています。
 獅子舞の日は村中の人が日の出と共に神社に登り、獅子を奉納した後に正午前から夕方まで獅子舞を奉納します。若い衆と子供たちの手により奉納される壮麗な獅子舞を、村中の人たちが、お盆で帰省した人やお客さんたちと一緒になって楽しむお祭りです。