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歴史・文化財 資料アーカイブ

宇都宮の伝統工芸・伝統食

伝統工芸「大谷石細工」

 大谷地区から採掘される大谷石は、火山灰が海底に堆積してできたもので、軟らかく加工しやすく、防火性に富むという特質を持っています。江戸時代、本多正純が宇都宮城の改築の際に大谷石を用いたとされていますが、農家の副業として大谷石の採掘が行われるようになると利用も増え、蔵や石垣、墓石などに広く利用され、市周辺に独特な石の造形を生み出しています。
 この加工しやすい大谷石の性質を活かし、昭和30年代に建材以外の新たな商品開発を行なったのが大谷石美術工芸生産者組合です。原石より作品の寸法を割り出し、型取りを行なった後、何度かの削りを繰り返して仕上げられる作品は、カエルの置物や灯籠など室内外のインテリアとして親しまれています。またこうして作られた作品の数々は、自然な石の素顔を大切にし、見る人に温もりを感じさせるものとなっています。