歴史・文化財 資料アーカイブ
宇都宮の民俗芸能
田舞祭と田楽舞
田舞〔たまい〕とは五穀の豊穣を祈念する舞のことで、二荒山神社では田楽舞といいます。二荒山神社で現在の田楽舞が行われるようになったのは、江戸時代文化年間のころといわれています。初夏に五穀豊穣を祈念する祭りを行うようになり、その結果、田楽舞を取り入れ、田舞祭〔たまいさい〕 を行うようになったものと思われます。
なお、当初は旧暦4月15日でしたが、現在は5月15日に行われています。
二荒山神社では、中世に20年ごとに式年造宮が営まれ田楽舞が行われていました。現在の田楽舞は、文化年間に旅芸人が日光で演じたものを模倣し、それを二荒山神社の御神領であった堀米の6軒の農家に伝授させたものです。
堀米の田楽舞は、踏掛〔ふんがけ〕と呼ばれる竹棒の下部に横木を付けたものを立て、田楽人は裁着袴〔たっつけばかま〕 に陣羽織のような上衣、白足袋に草履、赤い布を垂らした丸笠をかぶります。
笛とササラを持つ2人と銅拍子、鞨鼓〔かっこ〕を持つ2人が両脇に向かい合い、中央にササラ、柄太鼓を持った舞の2人が立ち、歌と囃子〔はやし〕 に合わせて竹で組んだ踏掛に交互に歩み寄っては足をかけるというものです。
なお、田楽舞は1月15日と12月15日のオタリヤでも行われています。