恵まれた環境の宇都宮
宇都宮は、関東平野の北端と日光連山から連なる山地との境に位置し、多様な自然の恵みが受けられる地です。また、南北に流れる多くの川に挟まれた台地は、人々を水害や大地震から守り、安心して暮らせる地を提供してくれます。この安定した大地に根古谷台遺跡のような拠点のムラが営まれました。
根古谷台遺跡
縄文時代前期の拠点集落跡。大型の建物跡が墓域を中心に立ち並ぶ。(国史跡)墓穴より国重要文化財の耳飾り・首飾りが出土。
飛山の落とし穴
今から約3万年前の落とし穴。鬼怒川東岸の段丘上に立地する飛山城を調査中に発見。旧石器人が獲物を捕まえるために掘った穴と考えられる。
門前町から城下町へ
上空から宇都宮を見ると、北部の山地から伸びる丘の先端部に二荒山神社が位置し、その周辺に中心市街地が展開しています。平安時代には、この神社に源義家などの武将がお参りするなど、その霊験を求めて人々が集まり、その門前に町が形成されました。その神官を兼ねて領主となった宇都宮氏が、神社の南側に居館を構え、次第に城下町の形を整えていきます。江戸時代には、宇都宮城を中心に日光街道と奥州街道が整備され、将軍の日光社参をはじめ多くの人が行き交い、物や情報が集まる商業のまちとしても大きく発展します。
宇都宮の地形
北部には古賀志山地、そこからのびる宇都宮丘陵の先端部に中心市街地が形成されている。市内には鬼怒川、田川、姿川の3本の川が流れ、その間に安定した台地が形成されている。
北関東最大の都市 宇都宮
さらに、近代に県庁所在地となると、政治・経済の中心として、より多くの人が集住し、現在約52万人が暮らす都市となりました。このように宇都宮は、自然災害が少なく水資源にも恵まれ、安心して暮らせる「住みよいまち」として、昔から人々が集まってきたのです。