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絹本着色阿弥陀三尊像(清巌寺)
( ケンポンチャクショクアミダサンゾンゾウ )

本作品の三尊像は、金泥地(きんでいじ)に格子文(こうしもん)や流水文(りゅうすいもん)、麻の葉文(はもん)、網目文(あみめもん)、雲形文(くもがたもん)、蓮華文(れんげもん)など細かい文様を施した優美な姿に描かれています。中尊の阿弥陀如来像は左腕を曲げて腹前(ふくぜん)で第一指と第二指を合わせる印相で、通常の善光寺式阿弥陀如来像の刀印とは異なる印相となっています。三尊像の下方(かほう)には、礼盤座(れいばんざ)の前で礼拝(らいはい)する月蓋長者夫婦(がっがいちょうじゃふうふ)が描かれています。 金銅仏の善光寺式三尊像は、関東から東北地方を中心に現在200例前後が報告されていますが、絵画の作例は全国的にも極めて少なく、県内では清巌寺の一幅のみです。善光寺聖は金銅仏の三尊像や絵巻、掛幅(かけふく)形式の絵像を笈(おい)に入れて各地で布教した際に、これらを絵解きで使用したため、絵像(えぞう)は消耗品のように使われ後世に残らなかったものと考えられます。宇都宮市史によると、本多正純が城郭拡張のとき松が峯の新善光寺(しんぜんこうじ)を破却したとあり、中世宇都宮にも善光寺が存在していました。三尊揃った善光寺式は不明ですが、鉄造の善光寺式阿弥陀如来像が大乗寺に1躯伝存しています。

平成19年3月26日 市指定

作者名 不明
時代・年代 室町時代
形式・資料形態 美術工芸品(絵画)
点数 1幅
法量 本紙縦88.8cm、横37.4cm 額装縦119.0cm、横51.0cm
材質 絹本・著色