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資料名称

刺繍 涅槃図
( シシュウ ネハンズ )

刺繍をもって仏を現す繍仏の作成は古く、飛鳥・奈良時代はことのほか製作が盛んであった。平安時代に一次さびれるが、鎌倉時代になり浄土教の勃興とともに再び製作されるようになる。図相も阿弥陀三尊象や六字名号、及び種子であらわしたものが多く、本図のような大幅でしかも人物や動物の多い複雑な図柄の涅槃図は作例も少なく貴重である。本図は6枚(1枚横幅37.4cm)の絹地を横に継ぎ合わせ、その絹地に薄墨で下図を描き、色の指定を書きこんでそこに刺繍をしたものである。宝台の部分は別に製作したものを金糸で縫い付けてある。左下方に6行24文字の願文と4行51文字で願主・製作者の名前が刺繍されている。銘文中の古河紺屋は現在も古河市紺屋町の地名であり、隣接する中央町の隆岩寺には1714(正徳4)年製作の繍仏涅槃図が伝存している。本図より少し大きく縦長であるが、ほぼ同一の図様である。県内にも、他に江戸期の繍仏涅槃図が確認されている。

平成5年2月19日 県指定
保管場所/慈光寺
住所/栃木県宇都宮市塙田1-3-3

作者名 -
時代・年代 -
形式・資料形態 有形文化財
点数 1幅
法量 -
材質 -