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上神主・茂原官衙遺跡
( カミコウヌシ・モバラカンガイセキ )

上三川町の北西部、宇都宮市の南西部の田川に面する標高約82mの台地上に立地する古代の官衙遺跡。明治時代に発見されて以来、多数の瓦と人名文字瓦が採取されることから著名であった。出土した人名文字瓦が寺院への寄進物であるとの解釈から、古くから奈良時代の寺院址である上神主廃寺跡と考えられてきた。しかし、平成7年度以降、上三川町と合同で実施した発掘調査により、遺跡は寺院ではなく官衙であることが判明した。遺跡は、西及び南を区画溝で囲まれ、東は低地となっており、遺跡範囲は東西約250m・南北約370m以上に及ぶ。遺跡範囲内の北側には大型の掘立柱建物や竪穴状遺構で構成される北方建物群、そして中央部には3棟の大型側柱建物があり、南面した「コ」字上の配置をとる政庁、南部には瓦葺建物を中心に大型の掘立柱建物が50棟並ぶ正倉域が確認され、当時の官衙の形態を明瞭に残している。また、南東には遺跡に取り付くように古代の道路跡が確認されている。遺跡の北東約3kmに位置する西刑部遺跡・杉村遺跡では長さ約1.5kmに渡って推定東山道跡が確認されており、この道路跡の延長線上に位置することから本遺跡で確認されている道路跡も東山道と推定される。出土遺物の大部分を占めるのが瓦であり、人名文字瓦は発掘調査で確認されただけでも約1,100点、100名弱の人名に上り、河内郡内の戸主層のものと考えられる。土器類の出土点数は少数であるが、遺跡の造営期間は7世紀後半から9世紀前半頃までと考えられる。

平成15年8月27日 国指定史跡

作者名 不詳
時代・年代 飛鳥・奈良時代
形式・資料形態 記念物(史跡)
点数 1
法量 -
材質 官衙遺跡(かんがいせき)