歴史・文化財 資料アーカイブ
宇都宮の民俗芸能
天下一関白神獅子舞
県指定文化財の天下一関白神獅子舞は、上河内地区の関白山神社の祭礼で、県下に広く分布する関白流獅子舞の始祖とされ、毎年8月第1土曜日に行われます。
この獅子舞は、平安時代に都から賊退治を任じられた藤原利仁〔ふじわらのとしひと〕 公が、この地で急逝し、その葬儀の折り、一天にわかにかき曇り、辺り一面闇夜のようになったので、3匹の獅子を舞わせたところ天候が戻ったという伝説が由来とされています。
祭礼当日は、朝公民館で身支度を整え、9時ごろ26人程の行列を組み、神参りの笛と太鼓で神社へと進みます。神社では神事の後、午後4時ごろまで、平庭〔ひらにわ〕、蒔寄〔まきよせ〕、唐土〔とうど〕の舞、弓くぐり、芝隠し、御子舞〔みこまい〕 の六庭を演じます。最後の舞「御子舞」は関白流獅子舞の開起を模倣したもので、賊を鬼に、利仁公と家臣が獅子となって鬼を退治するストーリーです。
これらのことから、この獅子舞が悪魔払い、家内安全、厄難消除の舞として厚く信仰され、今日まで一千年も脈々と引き継がれてきたのです。