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資料名称

和久天棚
( ワクテンタナ )

地元の伝承によると、天保年間に相次いだ冷害などの後、このような天災が再び起きぬように、そして五穀豊穣と村内安全を祈願するために、天棚が作られたと言われる。嘉永5年頃は、彫刻天棚や屋台が各地で作られた時代であり、宇都宮伝馬町屋台も同じ嘉永5年の作である。大工宗七については判っていないが、二階障子の「吹き寄せ組子」や、障子回りの板による縁取りなど繊細かつ重厚な作りは、かなりの名工であったろう。彫物師政五郎(神山政五郎彦徳)は、鹿沼上久我の生まれで、県内外に多くの作品を残し、後に菊彫りにこだわり、「菊政」の別名がある。礒辺敬信とは雄雌を競う名工で、町内外の他、笠間稲荷神社などにも作品を残している名工である。彫刻も多く、龍、唐獅子を始め、鳳凰、鯱、山鵲、孔雀その他の野鳥の他、一階障子の腰板には十二支の動物と多彩である。特に、二階後部全面を彫物で覆いつくした天棚は極めて珍しい。又、虹梁の波に桜花の彫物「吉野川」など思考を凝らした彫物が多い。明治20年に天棚修復が行われており、彩色師と塗師の記録があるが、それ以前は白木だったのか、塗り替えだったのかは定かでないが、保存状態も良く、色彩も鮮やかである。

平成17年5月27日 市指定

作者名 -
時代・年代 嘉永5年(1852)7月明治20年(1887)8月修復
形式・資料形態 突出型漆塗彩色彫刻天棚
点数 1基
法量 -
材質 -